土曜夕方、追い込みさなかのBaratee編集部員と目を合わせないように
そぉっと会社を抜け、新幹線に飛び乗り、一路東京へ。
かつての同僚や上司が集まる定例会に行く。
目指すは北千住。
根城だった三軒茶屋もかなりコアな街ですが、北千住はもっとディープ。
そのディープな街をより濃厚に、我々を魅了し続ける一軒の店がある。
居酒屋と風俗店が混在する裏通りの一角にそれはある。
建物はもしかしたら戦前のもの。内装も時が止まっている。
薄暗い店内。天井に穴。そしていつ落ちてもおかしくない朽ち加減。
建築法も消防法もかいくぐって生きているような趣きの佇まい。
もはや風情を超えている。半廃墟。
呼び込みから接客までこなす、おそらく70代半ばほどのホステス(?)さんが居る。
彼女がママかと思いきや、実はさらに上にママがいるらしい、80代半ばくらいの。
その建物の2階で生息しているようだ(でもまだ誰も見た事は無い)。
入店すると出されるうっすいウイスキーの水割り。こちらに選択の権利はない。
半壊したソファーに座るのも、出されたものに口をつけるのもだいぶ戸惑うが、
かろうじて好奇心が勝つ。
リンゴをむいてくれたり、キャベツの芯の煮たの(味無し)を出してくれる。
そして彼女が繰り出すなぞなぞに付き合うひととき...。
1時間くらいして彼女が飽きると「じゃそろそろ帰って」と、
一人千円ずつ巻き上げられ、追い出される。
狐につままれたような気持ちで店を後にする。
世界のトレンドを牽引する『TOKYO』の裏に確実に存在するブラックホール。
平成21年の常識や概念をことごとく逸脱した世界が、そこにはあります。
東京都足立区千住。
地下鉄、JR、私鉄など5線乗り入れて分岐点となっていて便利。
「4線だっけ、5線だっけ?」という会話中、
「4線」を「ビヨンセ」と聞き違える私。いよいよ思考も停止。
始発を待ちながら皆、興奮冷めやらぬテンションで、あの店について語り合う。
でも既に、来店3度目だったりするんです。
実は。